A02班複合高次系 - 研究項目 - 特定領域研究「高次系分子科学」

A02班複合高次系

高次系

高次系

　現実の分子高次系のほとんどは凝縮相でその高い機能を発現します。そして、この高次系機能のメカニズムは、エネルギーの揺動･散逸などランダムに進む物理現象と拮抗しながら分子がうまく連動することで成立しています。巧妙な分子システムの本質を知るためには、素過程や運動の相関を正しく観測･理解することが必須であり、このような研究はわれわれを新しい分子現象の発見へと導くものです。このような観点から、凝縮相分子科学研究においては、基礎的分子過程の正しい理解に立脚しつつ、界面に代表される構造をもつ不均一系における分子の振舞いや、生体関連分子や超分子を場として発現する分子複雑系の機能の理解へと進むことが必要です。また、このような研究を推進するためには、新しい研究方法論の開発やその先鋭化は不可欠です。
　本研究項目では、このような問題意識に立脚し、先端的分子計測法を開発･駆使して凝縮相における分子高次系ダイナミクスの観測とその分子論的理解に挑戦します。特に、新しい分子計測法による界面分子現象の解明、超高速分光計測、時空間分解分子計測など先端的分子計測による分子複雑系の機能発現メカニズムの解明に取り組みます。これによって、凝縮相の高次系分子科学の知的基盤の創出を目指します。

TOPICS

埋もれた界面の分子振動を観測する四次のラマン分光

埋もれた界面の分子振動を観測する四次のラマン分光

● テーマ

（１）新しい分子計測法による界面現象の観測と理解
（２）超高速分子計測による分子複雑系のダイナミクスの観測と理解
（３）時空間分解分子計測による不均一複雑系の観測と分子論的理解
（４）新規な実験的あるいは理論的研究方法論の開発と応用

● キーワード

凝縮相分子ダイナミクス、超高速分光、非線形分光、時空間分解計測、単一分子計測

● 研究分野

分子複雑系、凝縮相分子科学、界面科学

● 計画研究課題

極限的分光計測による複雑系高次分子機能の研究

代表　田原太平 (独立行政法人理化学研究所田原分子分光研究室・主任研究員)

竹内佐年 (独立行政法人理化学研究所田原分子分光研究室・専任研究員)

山口祥一 (独立行政法人理化学研究所田原分子分光研究室・専任研究員)

石井邦彦 (独立行政法人理化学研究所田原分子分光研究室・研究員)

森田明弘 (東北大学大学院理学研究科・教授)

浅野素子 (首都大学東京大学院理工学研究科・准教授)

細井晴子 (東邦大学理学部生物分子化学科・講師)

走査プローブ顕微鏡を用いた分子系高次機能の研究

代表　大西洋 (神戸大学理学研究科・教授)

木村建次郎 (神戸大学理学研究科・講師)

SFG分光法による有機および生体分子膜界面の電子振動状態の研究

代表　石橋孝章 (広島大学大学院理学研究科化学専攻・准教授)

時間分解分光法を用いた非解離イオン化質量分析機構の研究

代表　藤野竜也 (首都大学東京理工学研究科・准教授)

● 公募研究課題

電極界面におけるイオンの水和構造ダイナミクス

代表　山方啓 (豊田工業大学・准教授)

細胞周期制御下の細胞界面ナノダイナミクスの研究

代表　岡嶋孝治 (北海道大学大学院情報科学研究科・准教授)

新倉謙一 (北海道大学電子科学研究所・准教授)

近赤外光励起ピコ秒時間分解ラマン分光法による機能性分子・高分子・生体分子の研究

代表　坂本章 (埼玉大学大学院理工学研究科・准教授)

顕微鏡―電流同時計測による光合成膜タンパク質超分子集合系の機能解明

代表　出羽毅久 (名古屋工業大学大学院工学研究科・准教授)

水野稔久 (名古屋工業大学大学院工学研究科・助教)

協奏的プロトンダイナミクスの実空間観測

代表　奥山弘 (京都大学理学研究科・准教授)

近接場単一分子分光によって明らかにする表面・界面における高分子鎖の物性

代表　青木裕之 (京都大学先端医工学研究ユニット・特定准教授)

時間分解蛍光・中性子散乱法を用いたナノディスクの構造転移と脂質ダイナミクスの研究

代表　中野実 (京都大学薬学研究科・准教授)

高分子鎖内の電荷および励起エネルギー非局在過程の検討

代表　藤塚守 (大阪大学産業科学研究所・准教授)

Ｘ線鏡面／非鏡面反射同時計測による界面と相互作用する生体分子の面外面内構造解析

代表　矢野陽子 (藤原陽子) (近畿大学理工学部・准教授)

山田廣成 (立命館大学理工学部・教授)

宇留賀朋哉 (財団法人高輝度光科学研究センター利用研究促進部門・副主席研究員)

電子をプローブとする界面機能の単一微粒子分光とフェムト秒近赤外分光による研究

代表　玉井尚登 (関西学院大学理工学部・教授)